Scene3
んじゃ、そゆことで
――――ホームルーム前の職員室。
先生たちは授業の準備をしていたり、電話対応(もちろんCRグラスを使って)に追われたりして、とても慌ただしい。
そんな中。才賀 綾音は体育の授業の顧問である鴉森(からすもり)先生に呼び出されていた。
鴉森先生はいまどき珍しい熱血教師だ。歳は30代前半。片方だけを刈り上げた短髪で、細いフレームのCRグラスをかけており、一見インテリ系のように見える。 しかし彼は着痩せするタイプで、普段着ているジャージ越しにはわかりにくいが、俗に言う細マッチョだ。
鴉森先生は自分の席に座って腕を組み、メガネを下げて裸眼で綾音を睨むように見上げている。
鴉森先生(もたち)
「今日はなんで呼び出されたか分かってるか、才賀?」
GM(もたち)
と聞いてきますが、なにか心当たりはありますか?
才賀綾音(黒雲鵺)
「さぁ、なんすかね」
と首だけそっぽを向いてます。要するに興味なさげ。
dateryu
まぁ、よくある出来事なんだろうね
黒雲鵺
ちなみに頭の中ではどれの件だろう?とは考えてる
GM(もたち)
思い当たることありまくりじゃん……
鴉森先生(もたち)
「それだ。その態度だ才賀、いろんな先生方から苦情が出てるんだよ。
ったく……だいたいお前、なんだその格好?
最近は制服のアレンジに寛容な学校も多くなってきている。
ここ私立願ヶ丘学園もそれは同じだ、それはいい。
……だが限度ってもんがあるだろ!?
なんだそのスリット、おかしいだろ!」
才賀綾音(黒雲鵺)
「なんすか、そこ注目するんすか」
ちょっとからかう。
鴉森先生(もたち)
「先生をからかうんじゃない。興味ないっつの」
長い溜息をつき、鴉森先生はコンコンと
授業で使うCRペンで机を叩いている。
GM(もたち)
先生が家の事情とか知ってるのは大丈夫?
黒雲鵺
んー 両親がいなくて一人暮らしだけど
ジェームズに支援はもらってる感じかな。
法的にまずい部分があれば
なんかフォローくれてるくらい。
GM(もたち)
OKOK
鴉森先生(もたち)
「お前は家の事情が家の事情だからな、
大変なのはわかる。
だがそれとこれは別だ、別。
このままじゃ内申点にも響くぞ」
イラスト:黒雲鵺
才賀綾音(黒雲鵺)
「態度はいつもの事じゃないすか、テストの点は取れてるし」
こう見えてテストは普通に平均以上取ってます。
GM(もたち)
ちゃんと勉強はしてるのね
黒雲鵺
勉強してるというか、普通に頭いいので教科書読めばわりとすぐ理解しちゃう。
GM(もたち)
なるほど、努力家というよりは天才肌か。
鴉森先生(もたち)
「内申点っていうのは学力だけじゃないんだよ。
そんなんじゃ社会に出てから……」
GM(もたち)
鴉森先生が長々と説教を始めるのですが、綾音のCRグラスに通知が入ります。
差出人とショートメッセージは視界の端で確認できるだろう。
差出人は花澤E子。
メッセージの内容は「仕事だよ!全員集合!」
ふざけてんのかこいつ。
黒雲鵺
セルフツッコミやめて
GM(もたち)
アヤネは「仕事」という単語でそれがなにを指しているのかは分かるだろう。
そして「仕事」と言えば、この学校の教師は説教の合間だろうがとりあえずは見逃してくれることを知っている。
才賀綾音(黒雲鵺)
じゃあ、話聞いてるふりしながら、
左手の入力補助用フィンガーグローブでタイピングして返信。
『わかりました、すぐ行きます』
GM(もたち)
えっ!めっちゃ素直な文面!
才賀綾音(黒雲鵺)
「あー、すんません、『仕事』入ったので」
鴉森先生(もたち)
「仕事……?ああ……。
ったくあいつら、どこかで監視してるんじゃないだろうな……?」
周囲をきょろきょろしてブツブツ言ってます。
才賀綾音(黒雲鵺)
「んじゃ、そゆことで」
と片手を上げて踵を返す。
鴉森先生(もたち)
「はぁ……わかった。行っていいぞ」
ため息をつきながら、しっしっ。ってするよ。
才賀綾音(黒雲鵺)
背中向けて手をひらひらしながら職員室を出ていく。
GM(もたち)
ハラタツぅーー!
不良っぷりが出まくってていいぞ!
黒雲鵺
実はこういう他人に強く当たるタイプあんまりやらないので心にくる
GM(もたち)
何欠け卓のリキとか純真無垢という言葉がぴったりだったしね……。
もやししゃも
ナイス不良、デレが期待できる。
こきゅーとす
綾音ちゃんはいつかわからされてほしい
GM(もたち)
じゃあとりあえずみんなのOPは終わり。
次のシーンは依頼の詳細とみんなの顔合わせと自己紹介だ!